「柚月、おはよう」 「……お、おはよう」 本当に毎日、彼方は私を迎えに来るようになった。 あの無気力な彼方はいったいどこへ行ってしまったのか。 「一色、お前なんか最近変わった?」 なんてクラスのみんなにも言われるほどだ。 「柚月、売店にパン買いに行ってくるけど……ついでに、何かいる?」 「え、売店なら私が」 「柚月はここで待ってて……俺が行くから」 お昼休み、いつもなら私が買いに行くところを、今日は自分が行くと彼方はなかなか引き下がらない。