「彼方!? なにしてるの!?」

「え……柚月? こんなところで何してるの?」

「それはこっちのセリフだよ! 気付いたらこんなカッコでここに居て、私たちオトギランドにいたはずなのに……っ」

「オトギランド? オトギランドに行きたいの?」

「行きたいのって、さっきまで居たでしょ?」

「行きたいなら連れていってあげる」

「へ??」


パシッと腕をつかまれ、そのまま私をどこかへ連れていく彼方。

見ると目の前には大きな穴が……穴!?



《白うさぎと柚月ちゃんは、一緒に大きな穴に入り、真っ逆さまに落ちていきます》



「はい!?」


落ちていきますって……


「柚月、怖かったら俺にしがみついてて」

「え、うそ、本当に落ちるの!? ちょっと、まっ!?」


ギュッと、思い切り彼方にしがみつく。

そして私と彼方は、本当にその穴に真っ逆さまに落ちていったのだった。









《ようこそ柚月ちゃん、

     あなただけのオトギランドへ》