こんな世界、大嫌いだ。 きらびやかなドレスも、可愛らしい靴も、張り付けたような大人の笑顔も。 全部、全部、大嫌いだ。 「……はぁ、帰りたい」 会場の隅っこに座って、足をぷらぷらとさせる。 つまらない。 退屈。 ヒマ。 だいたい、こんな可憐で愛らしい十二歳の少女をほったらかしにするなんていったいどういうことなの!? 「……帰りたい」 はむっと、先ほどよそってきた料理を口の中に入れた。 あら、美味しい。