何度、背中を押されただろう。 「鬼龍院くん、セレナちゃん」 何度、私は心配をかけてしまったんだろう。 「私、頑張ってくるね!」 何度、私は二人の言葉に救われただろう。 二人に出会えてよかった。 二人とお話ができてよかった。 ありがとう。 心から、そう思うんだ。 「俺も……頑張って、きます」 私と彼方の言葉を聞いた二人は、満足そうな表情で私たちに背を向けた。 「じゃあ行こっか、柚月」 「……うん」 彼方と二人、手を繋いで、 空き教室へと向かったのだった。