【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。




三人のやり取りを見て、おもわず「ふふっ」と笑い声が漏れてしまう。

そんな私を見て、三人もつられるように笑顔になった。


「行ってらっしゃい、柚月さん」

「近衛クン、絶対に無理は禁物だからね」

「柚月……またあとで、ね」

「うん!」


三人に見送られ、足を一歩前に踏み出す。

だがそこで一度立ち止まり、私は振り返って彼方の方を見た。


「あ、彼方!」

「? どうしたの?」

「後で二人っきりになれたら、私、彼方に言わなきゃいけないことがあるの!」

「え……っ」


彼方は驚いたように目を丸くさせ、次に「……分かった」と一言。


その言葉を聞いて、私はまた三人に背を向け、調理室へと向かったのだった。