【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。




「じゃあ、本当にちょっと冷えてきたし、学校の中に戻ろっか」


私がそう言うと、セレナちゃんは「確かに寒いわ」と言いながらベンチを立つ。

つい長い時間ここに居てしまったが、今は何時……


「あ! 私、もうすぐ交代の時間だった!」

「え、柚月、行っちゃうの?」

「柚月さん行ってしうの?」


しゅんと、彼方とセレナちゃんが寂しそうに私を見つめる。


うっ、二人とも可愛い……!


「こらこら、あまり近衛クンを困らせてはいけないよ。近衛クン、二人のことは僕に任せて行ってくれ」

「あなたにこの身を任すぐらいなら一人でいいわ」

「……俺も」

「本当に君たち僕に対して辛辣すぎやしないかい!?」