【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。




私に、友達と呼べる人はあんまりいないなと気付いたのは二年生に上がった頃だった。


仲のいいクラスメイト。

だいたいがそこ止まりだったのだ。


それほどまでに彼方と一緒にいたし、彼方がしないならしない。彼方が行かないなら行かない。そんな感じだったから。


だから私にとっても、セレナちゃんは特別だ。


下の名前で呼びあって、特に意味のない世間話をしたり……セレナちゃんの世間話は普通じゃなかったから、聞くのもとっても楽しかった。


そんなセレナちゃんともっと仲良くしておけばと思ったのも、クラスが別れてしまった二年生の頃だった。


でもまあ、彼方に依存していた私が、行動にうつすことはなかったのだけれど。


「ほ、本当にわたしと友達になってくれるの? 本当にわたしでいいの?」

「こっちこそ、本当に私でいいの?」

「ええ……ええもちろんよ! わたしたち、今から友達よ!」


心の底から嬉しそうに、セレナちゃんは今まで見てきた中で最高の笑顔を見せてくれたのだった。