「月城クン、見事に噛んだな」
「~~っ!?」
声にならない声をあげ、セレナちゃんは顔を真っ赤にさせてうつむいてしまう。
「ああああ、わたしったらなんでこう肝心なところで……もっとちゃんと練習しておくべきだったわ!」
「セレナちゃん」
セレナちゃんの両手を包み込むようにして握る。
その手の指先が冷たくなっていて、温めるようにスリスリと擦りあわせた。
「ずっと外にいたから冷えちゃったね」
「ゆ、柚月さっ」
「……ねぇ、セレナちゃん。まだまだ自分に自信が持てなくて、たくさん心配かけて、みんなに背中を押されてやっと前を向くことができた私だけど」
ゆっくりと、私は頭を下げた。
「よかったら、友達になって下さい」



