【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。




「柚月さん、一年生の頃、わたしに話し掛けてくれて本当にありがとう。ハンカチを拾ってくれて、本当にありがとう」


心のこもったその言葉が、じんわりと私の心に深く深く響いていく。


「あなたがいてくれて、わたしは心から救われたの。だからもう自分のことを役立たずなんて、お願いだから言わないで」


うん、うんと、何度も頷く。

セレナちゃんの言葉に、おもわず泣いてしまいそうだ。


「ずっと笑顔のままのあなたでいて。そしてどうかまたわたしに、暇なときでいいから話し掛けてくれると嬉しいわ」


「もちろん」と、返事をする。


「最後に、わたしがどうしても伝えたかったこと。それは……」


握っていた私の両手を離し、スッと左手を差し出した。




「どうか……どうかわたしと、友達になってくだっひゃい!!」




一番最後に、セレナちゃんは思い切り噛んだのだった。