「では、これからもどうか、僕と仲良くしてほしい。クラスメイトとして……宜しく頼む」

「え……っ」


もしかしたら、もう仲良くはできないんじゃないかと思っていた。

もうお話とか、気まずくてできないんじゃないか。


でも目の前の鬼龍院くんは、全然そんなことなくて。


「も、もしかしてそれもダメか?」

「ううん! ダ、ダメじゃない! むしろその、いいのかなって……思って」

「少なくとも僕はそう思っている。気まずくなったりすることを心配してるのかもしれないが、次期鬼龍院財閥の跡取りである僕が、近衛クンにそんな気を使わせないと誓おうじゃないか!」

「鬼龍院……くん」

「だからどうか」


「僕の前でも、ずっと笑顔でいてほしい」と言った鬼龍院くんのなんとも言えない微笑みが、とても綺麗で儚くて……


「うん、任せて!」


私は精一杯の笑顔を、鬼龍院くんに贈ったのだった。