「柚月ちゃん、今晩はカレーなんだけど、確かカレー好きだったわよね?」

「はい! カレー大好きです!」

「いやぁ、こうして見ると本当に柚月ちゃん大きくなったなぁ!」


なんて言いながら、彼方のお父さんがビールをグイッと飲んでいる。

そして今私の目の前にあるのは、とても美味しそうなカレーだ。


お腹がすいてるからか、このカレーの匂いが本当にたまらない。


「おかわりもあるから、たくさん食べてね」

「本当にありがとうございます。じゃあ、いただきます」


私が手を合わせると、続いて隣に座っている彼方も「いただきます」と言って、私たちは二人でカレーを食べ始めた。


……さて、鍵を家の中に忘れてしまった私。


お母さんは仕事でかなり遅くなると言っていたし、しかもお父さんは出張中。

そのことを彼方に説明すると「とりあえず、うちにおいでよ」と誘われ、今はこうして彼方の家で晩ご飯をいただいているというわけだ。