【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。




「相変わらず一緒に昼飯か? 仲良いなー、お前らは」


クラスメイトの男の子が、私たちを茶化すように声をかけてくる。

すると、近くにいた他の子までもが私たちを見ながら声を上げだしたのだ。


「近衛さんと一色くんって、付き合ってはないのよね?」

「違う違う、こいつらはただの幼馴染み。一色が近衛さんに世話焼かせすぎなだけ」


わんやわんやと、クラスのみんなが口々に言っていく。


「そ、そうそう! 私と彼方はただの幼馴染みだから!」


ただの幼馴染み。


そんな私の返事に納得したのか、クラスのみんなは「だよなー」「やっぱりそうよねー」と散り散りになった。