【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。




「柚月、一緒にお昼食べよ」

「え!? あ、うんもちろん!」


いつもは私から声をかけるのに、今日は彼方の方から声をかけてきて少しビックリしてしまう。


ど、どうしよう、変に緊張しちゃう。


だって、だってだって……!


「柚月、クリーム、ついてる」

「へ?」

「とってあげる」


彼方の親指が、私の唇の端を擦る。

そのままペロリと、クリームを舐め……


「っ!?」

「ん、美味しい」


どこか色っぽいその姿に、ドキリと私の心臓が鳴る。


「うぁ、う、ぅぅ……っ」


声にならない声が私の口から漏れてしまう。

いつもとは雰囲気や仕草が違う彼方に、調子が狂ってしかたがない。