「って、彼方が私をなんて……いや、ないない」


なんて変な夢を見てしまったんだろうと、私はベッドから降りる。


さて、今日も彼方を起こしにいかないと!


「おはようございます!」

「あら、おはよう柚月ちゃん」


玄関で彼方のお母さんと挨拶をかわす。

いつもと変わらない、いつもの光景。


「ごめんね柚月ちゃん、いつもいつも……」

「いえいえ! これも幼馴染みである私の役目ですから!」


「失礼します」と声をかけて彼方の家にあがらせてもらう。


さて、今日は彼方が起きるまでいったい何分かかるやら……