「……柚月、あのね」



震える声で、私を呼ぶ。



「もう、幼馴染みとして一緒にいるのが……辛いんだ」

「彼方? なに、言って……」


風が、教室のカーテンを揺らす。



「俺ね、柚月のこと……幼馴染みとしてじゃなく、一人の女の子として」



窓から射し込む綺麗な夕陽が、彼方の綺麗な顔を照らした。