「……えっと、後で……いいから」

「そう?」


急ぎの用事というわけではなさそうだ。


「そうだ近衛クン!」


下駄箱に差し掛かった時、鬼龍院くんが思い出したと言わんばかりに手を一回叩いた。


「近衛クン、いつ頃結婚したいなど要望はあるかい?」


思い切り咳き込んだ。


「な、なんでそんな話になるの!?」

「いちよ聞いておこうと思ってな! だが、ふふふ、この調子だとクラスで一番に結婚するのは僕たちかもしれないな!」

「……あんた、冗談でも許さなっ」

「わー! 彼方ストップストップ!!」