「……ふぅ」
テストも無事終わり、一息つく。
最後らへんはさっぱりだった……。
「彼方、どうだった?」
「ん……ぼちぼち」
「ほほう、ぼちぼちとはやけに自信なさげじゃないか一色クン! まあ僕はほとんど解けたがね!」
高笑いとともに、鬼龍院くんは自信ありげな笑顔を見せた。
数日後、テストはすぐに返却された。
私は見事に平均と言ったところだったが、問題は私ではなく彼方と鬼龍院くんだ。
結果は──……一点差で、鬼龍院くんが下だった。
彼方が98点、鬼龍院くんが97点。
私から見ればどちらも凄いのだが、鬼龍院くんはまたも、彼方に一番を奪われたのだった。