それはいくらなんでも無茶と言うものだ。
この量を一人でだなんて、日がくれてしまう。
「他の生徒会の人とかは……」
「生徒会は今、風邪が大ブームしていてな。ほとんどが風邪で休みかもしくは早退。そうでなくても、残らすわけにはいかないからな」
「風邪……そういえば鬼龍院くんもこの前休んでたもんね……やっぱり流行ってるんだ」
「僕は二位になったショックで寝込んでいただけだ。風邪に負けるほど体調管理は怠ってはいない」
それが理由で寝込んでたんだ……。
「ということだ。今日は二人で帰ってくれ」
鬼龍院くんにそう言われ、横でずっと無言だった彼方と目をあわせる。
たぶん、思っていることは一緒だ。
「私、手伝うよ鬼龍院くん!」
「……俺も、手伝う」
持っていたカバンを下ろすと、鬼龍院くんは目を丸くして私たちを見た。



