いつも通り彼方と二人で帰ろうとしたら、何故か鬼龍院くんまでもが一緒に帰ると言って、今は三人ならんで帰宅中だ。


ちなみに鬼龍院くんの家は逆方向であり、それを本人に言っても「気にしないでくれ」とだけしか言ってくれなかった。


「そう言って僕に隠れてなにかするつもりだな!?」

「俺は、柚月と二人きりで帰りたいの!」

「わわっ」


グイッと彼方に腕を引かれる。

そんな彼方と私を見て鬼龍院くんが一言。


「君たちは恋人同士なのかね?」


度直球の質問に、私は「へ!?」と大きな声をあげてしまう。


「ただの幼馴染みと聞いていたが、それにしてはあまりにも……いや、もし恋人同士なら邪魔したなと思ってな」

「……付き合っては、ない。でも君は凄く邪魔」

「ふむ、付き合ってはないのか!」

「凄く……邪魔」

「ではなにも問題はないな!」


邪魔だという彼方の主張は軽く流され、ムムッと彼方は眉間にシワを寄せた。