「あれは、私が勉強を教えてもらってたの」

「ほお、近衛クンが?」

「だから、彼方がお勉強と言うよりは私が付きっきりで見てもらってたと言うか……」

「まあ、君たちが放課後残るようになったのは確かテストから一週間くらい前……その短期間で一位をとる勉強方は……さすがに……」


また考えこんでしまう鬼龍院くん。

ふと彼方を見ると、おもしろくなさそうに外の景色を見ていた。


そんな彼方の不機嫌度は、放課後にマックスを迎えることとなる。



「なんで……ここにいるの?」


彼方がジロリと鬼龍院くんを睨み付ける。


「学校ではなにもなかった、ということは放課後しかあるまい! さあ一色クン、参考書でも買いにいくのかね? それともどこか塾に通っているとか……」

「何も買わないし、どこも通ってない」