「ふんっ、二位になった俺への情けのつもりか!? だがありがたく頂こう! 好きなおかずを取るがいい!」
「じゃあ……アスパラベーコン」
「そのアスパラベーコンはうちのシェフの自慢の一品だ……それを選ぶとは、さすが一位を取っただけはあるな」
一位を取ったこととアスパラベーコンの関係性は置いておくとして、
食べ終わって一息ついた後も、鬼龍院くんは席を立たずにじっと彼方を見ていた。
「さあ一色クン、昼休みだ」
「……そうだね」
「勉強、しないのかね?」
「……しない」
「ふむ、まあ昼休みに勉強をしている様子は僕が覚えてる限りはない……つまりは別の時間? ハッ、そういえば君たちテスト前は放課後残っていたね?」
思い出した! と言わんばかりに鬼龍院くんは考えこんでいた顔をあげた。



