マドンナリリーの花言葉


「服はそれだとまずいわね。メイドとの区別がつかなくなるし。まずは着替えてきてもらえるかしら」

「は、はい」


慌てて自室に戻り、シンプルなライトブルーのドレスに着替える。そしてメラニーのもとに戻ると、彼女は驚いたように目を見張った。


「そんなに慌てなくても大丈夫よ。緊張しているのね? ほら、髪がくしゃくしゃになっちゃってる」

「え? あ、すみません」

「直してあげるわ。いらっしゃい。エミーリア様も起きるころだから、まずは朝の御仕度の手伝いからね」

「はい」


ローゼはメラニーの部屋にもなっている、エミーリアの部屋の続き間に通される。
ベッドに書き物机と言ったメラニー個人が使うスペースのほかに、エミーリアのものと思われる豪華なドレスや靴が入ったクローゼットもある。


「奥様の部屋にもあるんだけど、入りきらないものがここにあります。まずはここに座って? 髪を直してあげる」

「じ、自分でできます」

「そう? じゃあ直して。それとね、エミーリア様は今日はたぶん屋敷におられるので動きやすい服を好まれると思うわ。ローゼ、選んでみてくれる?」

「は、はい」


慌てて髪を結いなおした後、たくさんの衣装が並ぶ一角にいき、一枚一枚ドレスを確認する。
あの綺麗なエミーリア様ならなんでも似合う気がすると思いつつ、黄色をベースとしたドレスを選んだ。
メラニーはそれを受け取り、続き間への扉をノックした。