「大丈夫だよ。ディルクが守ると言ってるんだ。あいつが失敗するはずなんてないだろ? それに、予想以上にうちと子爵家にもしがらみがありそうだ。……君は今は俺の子を守ることを一番に考えてくれ。君が守っていてくれると思えば、俺も安心して外のことができるってものだ」


フリードに微笑まれて、エミーリアの胸に安堵の熱が灯る。


「……はい」

「お、素直な返事」

「たまにはね」

「君の、そういう顔が俺に力をくれるって知っていたか?」


次の瞬間、返事ごと彼の唇に吸い取られたエミーリアはゆっくりと目を閉じる。

扉の向こうでは、お茶を用意していたメラニーが入るタイミングを逃して困り果てていた。