「朔真さーん、大丈夫ですかー。」
「んぁ?まだ1本目だろーがぁ、何連れてきてんだよてめぇ〜。」
「もうあかんなこれ…。」
すでに再起不能の朔真さんは視点が定まらず、足元もおぼつかない。
エレベーターに乗り4階へ。
エレベーター内でもブツブツと何か喋っているが何を言っているのか全く聞き取れない。
「朔真さん、着きましたよ〜部屋。
鍵出してください。」
「ん。」
ドアを開け、真っ暗な部屋に明かりをつける。
部屋は黒と白で統一されており、なかなかにシンプルな家具ばかり。
綺麗に管理しているのかと感心した。
奥に入るとシワひとつ無さそうなベッドがあるのでそこに朔真さんを寝かせる。
肩の重みがとれて随分楽になった。
「水持ってくるんで待っててくださいね、ってうぉあ!?」
「…んー、あれぇウェイトレス〜大胆だね〜。」
水を取りに行こうと足を踏み出した瞬間、朔真さんが私の腕を強く引っ張り、彼の上にまたがる形にされてしまった。
「なにしてるんですか!?離して下さい!」
「まぁまぁいいじゃね〜か、大人しく抱かれとけって。」
抱かれるとは、あの、あれか。
私はまた、耳元で囁かれた時の感覚に陥ってしまった。
低い声が鼓膜を揺らして、脳まで支配された気分になる。
「いやっ…で、す…!」
僅かながらの抵抗も虚しく、上下逆転。
私の目には、彼の部屋の真っ白で虚しい天井と____
___少しだけ悲しそうな、それでいて妖艶な、彼の姿があった。

