本当の事を言ってほしかった。
 だけどその願いも叶うこと無く、笑いながら、


「そんなのたまたまでしょ。俺は朱里だけだよ。だから、これからも俺に尽くしてね??」


 ――私に平気で嘘を吐き続けた。


 本当の事を言ってくれないなら、私もこれ以上は聞けなかった。だから鶴橋くんが嘘を吐いたように『うん、尽くすよ』と、私も平気で嘘を吐く。



 鶴橋くんはどこまでも、高城さんとの関係を黙っているつもりらしい。


 どうして私と高城さん、二人が必要なのだろう。
 でもそんな事を考えるだけ時間の無駄だ。


 もう鶴橋くんの事で心を痛めたくない。


 ――それに、もうすぐこの関係は終止符を打たれるんだから。