「なぁなぁ、今日のテストどうだった?」
「それ私に聞く?」
「ってことは、あまり良くなかった?」
「うっさい、ばか。…平均点ギリギリだよ」
「なんだよ、悪くないじゃん」
なんて、何気ない会話をするのはいつものこと。
たまに時間が合えば、一緒に帰ることだってある。
連絡先だって知ってる。
なにかあれば、LINEだって普通にくる。
…でもさ。
私は、ただそれだけの人なんだ。
同じクラスで、席もとなりで、お互い名前を呼び合って。
アイツの得意なことも、苦手なことも、近い距離にいて分かっているのに。
アイツの中では、私は仲のいいクラスメイト。
それ以上でも、それ以下でもなかった。