ハルト君は事件後、自分のことを責めていた。

セイラと付き合っているときに真子と浮気をしていたこと。

真子と付き合っているときにセイラと保健室でキスをしたこと。

真子に一方的に別れを告げ、セイラとやり直せるかもしれないという淡い期待を抱いていたこと。

逃がした魚は大きかったと、怜音先輩と付き合うセイラを見て、別れたことを後悔していたこと。

ハルト君は、ダメ人間だった。

あたしはそれを中学時代から見抜いていた。

でも、そんなダメなところを知ったうえであたしはそれでもハルト君を愛してた。

ダメな部分まで愛おしかった。

それなのに、ハルト君は真子に好意を持ち、セイラとまで付き合うなんて。

中学時代からありとあらゆる手段を使ってハルト君を自分のものにしようと考えてきた。

昔から交友関係は広かった。

ハルト君がインドアなことを元カノが嫌がっていたのも知っていたし、元カノにイケメンを紹介して浮気をするようにうながしたのもあたし。

ハルト君のよくない話や悪口を元カノに吹き込んだら、元カノはそれを信じてあっという間に別れた。