ハルトがここまでインドアだったことも、バイト代を惜しむほどケチだったことも付き合うまで知らなかった。

デートはいつもハルトの家。

ゲームをしたりDVDを観たあと、やることはひとつだけ。

今のようにベッドに寝転んだハルトはあたしの腕を引っ張りベッドへ誘う。

それがいつものサイン。

最初は刺激的だったハルトとの行為も回数をこなすうちにマンネリ化してくる。

同じパターンで過ごすハルトとの時間が退屈で。

こんなはずじゃなかったのに。

もっともっと胸を躍らせるような高鳴りを感じていたはずなのに。

それなのにどうして、ふいに別れというフレーズが頭を過るんだろう。