私の髪や肌を滑るように通り抜ける風が、とても心地よい。
高校に入学してから、丸1年と少し。
この中庭に来たのは初めてだった。
いつも廊下から見ていたけれど、こんなにいい所だったなんて……
もっと早く気づくべきだった。
……なんて、ちょっぴり後悔をする。
定期的にまた来よう、そう思いながら、風に揺れる葉と雲が泳ぐ空を見上げながら歩いていると、さっきまで気がつかなかった人の気配を感じた。
大きな木の下。
ちょうど木の葉のおかげで、日陰になり、葉っぱの隙間から木漏れ日が差し込むそこで、1人の男の子が寝転がっていた。
それも、腕を空に向かって伸ばし、大きな手で小さな四角い枠を作って、ただ空を見上げていた。
「なんて綺麗な人なんだろう……」
人を綺麗だと思ったのは、初めてのことだった。
テレビに映る俳優さんや、女優さん、モデルさんなど可愛い人、美人な人、かっこいい人はたくさんに見てきた。
でも、ここまで思わず見入ってしまうほど綺麗だと感じたのは初めてだ。



