「お母さん！浴衣着せてー！」



「ちょっと待ってなさい！今行くからー。」



「早くー！」




待ち合わせの時間まで1時間しかない。



私は髪を結っている。




なんか、妙に緊張しちゃって上手くできない。




だって、今日は恋達と行くんじゃなくて、弘人と行くから。




友達だって分かるけど、緊張しちゃう。




・・・・・・・・・・・・・今頃、恋は大樹と一緒にいるのかな？




昨日の夜、恋から大樹と一緒に行くって連絡が来た。



私は前から弘人と行くって伝えてたからなんか頑張れって言われた。



まだ私が弘人を好きだって思ってるんだろうな。



だからってどうすることも出来ないんだけど。




「お待たせー。ほら、ここに立って。」




お母さんが私の部屋に入ってきた。




「今年も恋ちゃんと大樹君と行くの？」



お母さんにそう言われてビクッとした。



毎年そうだったから今年もそうだと思ってるんだろう。



「・・・・うん。そうだよ！」




嘘をついてしまった。




だって、違う人の名前出したらめんどくさい事になりそうだもん。



誰！？とか、彼氏！？とか。




「本当に仲いいわねー！楽しんできなさい。」



「うん。ありがとう！」