「あの、先月号のタウン誌のことで聞きたいことがあって」 「あ、そう。汚いけど、こっちへどうぞ」 示された先に小さな椅子があった。 「忙しいところすみません」 「いやいや、ひまひま」 メガネをかけたまるで大学生という感じの彼はにこやかに手を振った。 「ちょっと珈琲切れてて、出せるものがないんだけど」 「あ、気にしないでください」 「そう、ごめんね。で、聞きたいことって?」 彼は少し、椅子の背もたれに仰け反るようにして微笑んだ。