「夜梨子。じゃあ行こうか」 「…うん」 ハルは車で私と荷物を新しい下宿まで運んでくれた。 その途中は、ほとんど会話がなかった。 お互い、何かを口にしたかったけど、それができないまま、車は走り続けた。 スピードはゆっくりだった。 それでも、下宿に着いてしまった。 私は、停まった車の中で膝に載せた自分の手を見つめていた。