佐伯さんと会社を出た時は、まだ陽が落ちきっていなかった。 「日もだいぶ長くなりましたね」 「ああ、そうだな」 佐伯さんも歩きながら、ビルの谷間に見える赤い空を見つめた。 「そういえば覚えてるか?」 「覚えてません」 即答。 「おい…冷たいな」 夕日に関する思い出と言えば、アレしかない。