何かが見えた。 私は鍵を開けるのに慌てて、番号がなかなか合わなかった。 ガチャ。 「お帰り。なにやってるんだい?」 2号室のドアが開いて砂羽さんが顔を出した。 「い、いえ!なんでも…ただいま」 私は必要以上にびっくりして、両手を振っていた。 「なんか、この間から変な娘だね?」 砂羽さんは首をかしげながらドアを閉めた。 私は胸をなで下ろして、深呼吸をすると、今度はゆっくりと番号を合わせた。 茶色い扉をそっと開けると、1通の手紙が入っていた。 それは春色だった。