「出来ればお前はそいつと顔を合わせるな。そいつの見張りは相須と瀬名がする。時々奏多が外すこともあるが、大丈夫か?」

「コク」

「…琴音、お前はそいつとは違う。お前はとっくに、俺たちの家族だ。それは分かってくれ」

季龍さんに抱き締められているのに、なぜだか思いは新しく来たと言う使用人に向いていた。

どんな人かなんて分からなかったけど、何となくその人は女の人なんだと思う。

その人は何をしたんだろう。その人は、私にとっても敵になるのかな…?


そしてなぜか分からないけど、嫌な予感が消えなかった。