年末は両親が家にいる感じで出掛けられなかった。
年始も挨拶に来るお客さんが多くて、出掛けることはできなかった。
前もそうだったと、悟もそれは承知のことだった。
トントン。
「はい」
ノックの音に返事をすると、好江さんがドアを開けた。
「旦那様がちょっと下に降りて来るようにと」
「え?」
「篠田さんが新年の挨拶にお見えになってるので」
「ああ…はい。すぐに行くね」
「わかりました」
好江さんは頭を下げると降りていった。
トントン。
「お父さん」
私は応接間のドアをノックした。
「ああ、来たか。入りなさい」
「はい」
私は父の返事を聞いてドアを開けた。
私が部屋に入ると、暖炉を背にした父の斜め前に篠田さんが座っていた。
「本年もよろしくお願いいたします」
新年の挨拶をして、私は彼の真向かいに座った。
今日はいつも見かける白衣ではなく、スーツ姿で素敵だった。
話している姿には、院長やその家族に媚びた感じはなく、いつもどおりの柔らかな雰囲気。
「最近、君の腕に頼ってばかりのシフトで申し訳ない」
父が軽く頭を下げた。
「院長、そんな…」
彼は軽く手を振りながら少し恐縮ですという感じで言った。
まだそんな誠実さと若さはあるけど、判断力、決断力もありそうで、確かに父の後を継げそうな人だと思う。
年始も挨拶に来るお客さんが多くて、出掛けることはできなかった。
前もそうだったと、悟もそれは承知のことだった。
トントン。
「はい」
ノックの音に返事をすると、好江さんがドアを開けた。
「旦那様がちょっと下に降りて来るようにと」
「え?」
「篠田さんが新年の挨拶にお見えになってるので」
「ああ…はい。すぐに行くね」
「わかりました」
好江さんは頭を下げると降りていった。
トントン。
「お父さん」
私は応接間のドアをノックした。
「ああ、来たか。入りなさい」
「はい」
私は父の返事を聞いてドアを開けた。
私が部屋に入ると、暖炉を背にした父の斜め前に篠田さんが座っていた。
「本年もよろしくお願いいたします」
新年の挨拶をして、私は彼の真向かいに座った。
今日はいつも見かける白衣ではなく、スーツ姿で素敵だった。
話している姿には、院長やその家族に媚びた感じはなく、いつもどおりの柔らかな雰囲気。
「最近、君の腕に頼ってばかりのシフトで申し訳ない」
父が軽く頭を下げた。
「院長、そんな…」
彼は軽く手を振りながら少し恐縮ですという感じで言った。
まだそんな誠実さと若さはあるけど、判断力、決断力もありそうで、確かに父の後を継げそうな人だと思う。