井の頭公園遺体発見現場


「どうだ?」

真田が、遺体を確認している赤井と三田村に声を掛けた。

「多分、同じです。首にもどこにも外傷はありません」

赤井が答えた。

「撮ってるか?」

真田は後ろの二人の鑑識課員に確認した。

「はい」

「撮れてます」

二人とも頷いた。

「ちょっと俺も見ていいか?」

「どうぞ」

赤井と三田村は真田と代わった。

「…本当だ。首は何ともない…」

触らないように確認して、真田は少し戸惑った表情で後ろへ下がった。


「いいですか?」

赤井が真田を見た。

「…ああ」

赤井は軽く溜め息をつくと、彼女の前にしゃがんだ。

市倉伸子の顔をあらためて見た。

3度目の、あの表情だった。

「すまんな」

彼はそう言って、そっとその顔に触れた。