俺はここで生まれた、ここで育った。


でも、そこにお父さんはいつもいなかった。


仕事が家族より一番だった。


お母さんはお父さんのことが大好きだったから何も言わなかった。


でも、子供の俺はたまにしか帰らないお父さんがいないのが寂しかった。


人見知りの俺はいつも1人だった。


でもある時、俺はサーフィンに出会った。


仁華のじいちゃん。


俺にサーフィンを教えてくれた大切な人。


昔からあんまり遊ばせて貰えなかった俺はサーフィンだけが楽しみだった。


そして、だんだん上手くなった。


お父さんが帰ってきた時、サーフィンを見てもらいたくて海に行こうと言った。


でも、お父さんは、


「そんなことしてないで、勉強しなさい。勉強で一番になればいい。」


そう言っていた。


褒めてもらいたかっただけなのに。


俺は褒めてもらいたいそれだけで、勉強を頑張った。