「うん。行ってくる。だから、私と約束して。」


「うん。なに?」


私は椅子から立ち上がって律希の前に立つ。


私は弱いから、律希と約束しないと不安なんだ。


それは許して欲しい。


「私が、あっちに行って、帰ってくるまで私のことを待ってて。ずっと、ずっと、私のことを好きでいてっ!・・・っ、離れてても私の彼氏でいてっ!!ぅっ、・・・・約束、してくださぃ・・・・・。」


私は律希にお辞儀した。


律希は椅子から立ち上がって私をギュッと抱きしめた。


私は律希の服を掴んだ。


律希、律希。


「大丈夫だよ。仁華。・・・・・約束守るよ。だから、仁華も約束して。」


「え?」


「あっちに行っても、俺のこと好きでいて。俺の彼女でいて。それと、・・・・・・俺のところに絶対戻ってきて。」


あぁ。


なんて、幸せな約束なんだろう。


こんな綺麗な約束したの初めて。


私は涙を振り払って、頷いた。


「当たり前だよ。律希。・・・・・・私、行ってくる。絶対戻ってくるからね。」