ずっとずっと、キミとあの夏をおぼえてる。

私になにができるんだろう。

マネージャーとして彼が練習に打ち込めるようにサポートするだけで、他にはなにもできないの?


大河は自主練を続けていたものの、徐々に情熱を失いつつあるのは見ているとわかった。

素振りも投球練習も、回数は今までと変わらない。

しかし、あきらかに目の色が違い、極限まで自分を追い詰めていた彼の姿を見ることができなくなっていた。


「あと十回。一、二、三……」


彼の素振りに付き合いながらカウントしていても、その力の抜け方がよくわかる。

以前はどこの筋肉をどう使えばいいのかとか、そのための筋トレはどうしたらいいのかとか、よくふたりで話し合った。

でも今は、ただ振っているだけ。
手のマメが増えるだけで、向上しているようには見えない。

とはいえ、私はなにも言えなかった。
大河の悔しさが手に取るようにわかるからだ。