ずっとずっと、キミとあの夏をおぼえてる。

冷たく突き放された今の私には、すがりつきたくなるような言葉だった。


その日の帰りも、いつものように大河のうしろをついていった。
そして家の近くの駅で降りると、彼が待っていてくれた。


「行くぞ」


そのひと言だけで胸がいっぱいになり、瞳が潤んできてしまう。

だけど、ゆっくり歩き始めた大河はなにも言わない。
私も自分からなにかを言う勇気はなかった。


それでも、家の前に着くと彼は立ち止まり、じっと私を見つめる。


「ノート、サンキュ」

「……うん」

「じゃ」


彼はそう言い残して家に入ってしまう。


本当はもっと話したかった。

真田くんとは偶然会って話したけれど……私は大河を応援しているんだと、伝えたかった。

でも、薬局でも話してしまったという罪悪感から、なにも言えなかった。