ずっとずっと、キミとあの夏をおぼえてる。

私はテーピングテープを購入して、すぐさま部活に向かった。

そのテープを最初に使ったのは大河だった。


「痛そう。平気?」


ピッチングの練習でマメをつぶした彼に、私がテーピングを施した。


「あぁ、慣れてる」


投球中は感覚が狂うからテーピングはしない。
痛みに耐えながら投げていたんだと思うと、私まで顔がゆがんでしまう。


「大丈夫だ」

「……うん」


すると……彼はそれに気づいたのかもしれない。
私を安心させるように言った。


今日初めての会話に胸が熱くなる。

こうして繰り返されてきた当たり前の光景が、突然なくなる怖さを知った。


大河との平穏な日常が壊されるくらいなら、これ以上、真田くんと接触しないようにしよう。


大河は私を甲子園に連れていってくれると約束してくれた。

今はふがいない結果に士気も下がっているものの、きっと彼なら——。