ずっとずっと、キミとあの夏をおぼえてる。

「小指がひどくなって投球フォームが崩れたら、後悔すると思います。今はつらいかもしれませんけど、目標を間違えないでください」


おそらく彼は、突き指したことをマネージャーにも言ってないのだろう。

だからこうやってこっそり湿布を買いに来ているんだ。

秋の大会でいい成績を残せば、春の甲子園に選抜される可能性が大きい。

しかし、春に関しては秋季大会で優勝しても出場は絶対ではないし、なんの例外もなく県でひと枠を争い、勝ち続けた高校のみが出場できる夏の甲子園は、野球をやっている高校生なら皆一度は夢見る大会だ。


「そう、だね……」


余計なことだったかな?と思ったけれど、彼はうなずいてくれた。


「これは私が返しておきます。はい、病院直行!」

「そうするよ。ありがと」


彼の手から湿布を奪うと、彼は複雑な顔をしながらも去っていった。

また、話してしまった……。

大河がイヤがるとわかってはいるけど、無視することもできない。