ずっとずっと、キミとあの夏をおぼえてる。

授業が始まりノートを開くと……【サンキュ】の文字が躍っていて、思わず笑みがこぼれる。

たったこれだけで、こんなにうれしい。
大河と話せないのがこんなにつらいとは思わなかった。


その日、授業が終わると綾子先輩から【悪いけど、薬局でテーピングのテープ買ってきて】というメッセージが入っていた。

そういえば残り少なかったかも。

私は部活に行く前に、一旦学校を飛び出した。
薬局は幸い徒歩五分くらいのところにあり、いつもお世話になっている。


「えーっと、これだったっけ?」


いくつか種類があり悩んでいると、「あっ」と声がしたので顔を上げた。


「真田くん……」

「偶然だね」


まさかこんなところで会うとは。
彼は湿布を手にしている。


「ケガですか?」

「あぁ……うん。朝練で突き指したみたいだ」


彼の右手を見ると、小指が真っ青になって腫れている。