ずっとずっと、キミとあの夏をおぼえてる。

私は慌てて彼のところにノートを持っていこうとしたけれど、すぐに担任が入ってきてしまった。


「朝からカレー食ってるの誰だ」


大河はぎりぎりパクッと口に放り込んだのに、匂いでバレたらしい。


「すみません。明日はクリームパンにします」


大河がそう言うと、教室が笑いに包まれる。
だけど私は、彼の元気が妙に痛々しく思えて、笑えなかった。

そんなにイヤだったのかな……。

真田くんとはなにもないのに。
旭日高校が、そして大河が大事に決まってるのに……。

治療をしてあげるのは、そんなにいけないことなの?


ホームルームが終わると、私は英語のノートを持って席を立った。
そして大河の机に黙って置き、再び席に戻る。

それからは彼の反応が怖くて、本を読むフリをした。


ノートが返ってきたのは英語の始まる三時間目の前の休み時間。

なにも言わずにノートを私の机に置いた大河は、すぐに他のクラスメイトと話し始めた。