ずっとずっと、キミとあの夏をおぼえてる。

私がごまかすと、「ま、男は単純だから、そのうち機嫌も直るだろ」と本山くんが言うので、私は小さくうなずいた。

いや、うなずいたらなにかあったと認めたようなものだけど……。


「あっ、本山くん行かなきゃ」

「ヤバ」


真顔に戻った本山くんは、慌ててランニングに加わった。

機嫌、直るかな。
またいつもみたいに、笑って……くれるかな。


朝練が終わって教室に行くと、友達の多い大河はすぐに囲まれる。


「腹減ったー」


でも、友達との会話より空腹が勝っているらしく、すぐにカバンからパンを取り出した。

あんなに動いているのにメロンパン一個しか食べていないのだから当然だ。


「今日はなにパン?」

「じゃーん、カレーパン。悪いが分けてやれねぇ」


妙に大河のテンションが高い。


彼は菓子パンその二を左手でパクパクと口に運び、右手でノートを出しなにかを書き始める。
宿題……やってないんだ。