ずっとずっと、キミとあの夏をおぼえてる。

次の朝のモーニングコールは、『うん』という返事だけで終わってしまった。

本当に起きたのかどうか不安だったけれど、もう一度電話をする勇気はない。


朝ごはんもまともに喉を通らず、いつもより早めに家の前に出て彼を待った。

すると、しばらくしてメロンパンを片手に出てきた彼は、私をチラッと視界に入れただけで黙って歩き出す。

『おはよう』も『行くか』も、恒例の髪の毛クシャクシャもない。


いつもは肩を並べて歩くのに、今日は大河の少しうしろをついていった。


結局その日の朝は、学校の付近で野球部の仲間を捕まえ楽しそうに話しだした大河とは、ひと言も交わさないまま学校についてしまった。


「ランニング行くぞ」


朝練が始まり、本山くんの苦手なランニングの開始。

「はぁ」と盛大なため息をついている本山くんより、大河の顔が険しい。