ずっとずっと、キミとあの夏をおぼえてる。

あくまで“彼は有名だから知っているだけ”で通そうと思ったけど、そうはいかなかった。


「楽しそうだったじゃないか」


やっぱり真田くんと話しているところを見てたんだ。

私は妙な汗が出るのを感じていた。

大河に誤解されたくない。
真田くんと仲がいいわけじゃない。


「そんなことないよ。夏の試合のとき、真田くんと気づかなくて……マメがつぶれてたから絆創膏をあげただけ。さっきはそのお礼を言われたの」


私、今、すごい勢いで言い訳してる。

絆創膏をあげただけじゃなかった。
消毒もしてあげたし、貼ってあげた。

さっきも——。


「お前はどこのマネージャーだ」

「旭日に決まってるでしょ?」

「それなら、桜花に近づくな!」


低く唸るような彼の声が胸に突き刺さる。

やっぱり怒ってる。
チームの実力差は歴然だとしても、ライバルであることには違いないのだから、それも当然かもしれない。