ずっとずっと、キミとあの夏をおぼえてる。

「痛いですか?」

「いや、平気。またごめんね」

「いいですよ、このくらい」


真田くんの手も、大河と同じように皮膚が硬い。
消毒のあと、絆創膏も貼った。


「手が大きいですね」

「うん。指が長いからフォークは投げやすいかな」


彼は私の手を不意につかみ、自分の手を合わせる。


「こんなに違うや」


彼の言う通り、合わさった手は、まるで子供と大人のようにサイズが違う。

でも、それより……こうして突然触れられたことに驚いてしまい、頭が真っ白になった。

治療で触れるのとはわけが違う。


「あっ、ごめん。イヤだった?」


唖然としていると、彼が心配げな顔をする。


「いえ、そんなことないです」


大河以外の男の子の手に、こんな触れ方をしたのは初めてだった。
それを意識し始めると、途端にドギマギしてしまう。

だけど、そんなことを考えているのは私だけらしく、再び歩きはじめた彼は、いたって普通の顔をして再び口を開く。