ずっとずっと、キミとあの夏をおぼえてる。

試合後のミーティングが始まっても、本山くんもなにも言わない。
ただ黙ってうつむき、唇を噛みしめるだけ。

やっぱり出場できなかった大河は、表情を変えることもなく、監督の声が聞こえているのかどうかもわからない。

結局、監督が淡々と話をするだけで終わった。


「お疲れー」


他の部員と別れ、本山くんと一緒に学校から駅へと向かう大河の足取りは重い。

私はその様子に胸を痛めながら、ついていった。


「あっ、きみ!」


途中で桜花高校の制服を着た人に声をかけられ視線を移すと、真田くんだった。


「あっ、真田くん……」

「俺の名前知ってるの?」

「そりぁ、有名ですから。でも、あのときは知りませんでした」


私が素直に言うと、彼は口元を緩める。


「そっか。でも、あのときはありがとう。きみと話ができて、ちょっと気持ちが落ち着いたというか……。俺は俺で全力でやるしかないと思って吹っ切れたんだよね」